飛騨高山タウン情報誌月刊さるぼぼ
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六厩富根(むまいとみね)
昭和13年高山市生まれ。
指物師として名を馳せ、高山市内の老舗料亭「洲さき」など手がける。
昭和55年シラカワ入社、商品開発とデザインを担当する。
定年後は専属契約を結ぶ。
最近はなぜか、ホタルブクロの姿に夢中とか。


シラカワのほとんどの椅子は、完成までに400の工程を超える。治具による部材の加工から微妙な曲線と曲面が生まれる。
 

機械で研磨しきれない部分は1脚ずつ手作業でサンダー掛けをする。


 障子や畳、床の間のない住宅空間が当たり前になってしまった今日、和の暮らしへの憧れは、失ってしまったものへの日本人の飢餓意識なのではないだろうか。時代が流れ、物質的な豊かさを手に入れても、日本人一人ひとりにすり込まれてきた季節感や風趣の遺伝子は、そう簡単に消滅してしまうものではない。心の中に描く和の景色が、椅子やテーブルといった身近な容(なり)として表れたとき、言葉も説明もいらない感動がそこにある。 
 シラカワの家具は、その一つひとつに和の魂が宿っている。デザインだとかフォルムだとか、横文字を避けたくなるような見事さは、まさに日本の意匠、和の姿である。シラカワ哲学とまで言わしめた、この徹底した姿勢には、一人の指物師の心が映し出されている。六厩富根(むまいとみね)、66歳。高山で生まれ、高山で育った生粋の飛騨びと。指物師として名を知られていた現代の匠の一人である。当時の社長で現会長の白川義右エ門は六厩のもとに通い詰めた。「これからは量産ではできないもの、誰にも真似のできないものを作らなければいけない」という白川の熱心な言葉に口説かれ、3年目にしてようやく入社。以後、六厩は商品の開発とデザインを一手に引き受けたのである。


 六厩がシラカワの椅子を手がけ始めたのは、40歳を超えたばかりの頃。シラカワという新境地を迎え、精力的に仕事を進めた。西洋画家の特長をデザインした「ロートレック」、日本の木の椅子100選に選定された「ポロック」、シラカワ初のリビング・ダイニングセット「ルーベンス」など続々と新作を発表していった。 そして9年前、和のモダンシリーズが始まった。当時はまだ、欧州デザインを真似たダイニングセットが市場の中心を占めていたが、シラカワは張地も色も全て最高の物にこだわり、図面やスケッチさえもないという常識を打ち破った家具づくりを続けた。そして飛騨の和風家具として発表されたのが「和魂」だった。 
 見えないものが見えてくる、それが六厩のデザインだろう。ふと立ち止まり、目をつむれば聴こえてくるせせらぎや木々の揺らぎ。飛騨を包み込む自然の中にこそ、すべての命の循環がある。シリーズ第2弾「和蘇」は、そう伝えているのかもしれない。 


 「和魂」「和蘇」に続いたのが、「素技」「木数寄」のシリーズである。書院造りに見られる付け書院(一般に床の間の脇に設けられ、縁側へ張り出した出窓的なもの)や違い棚、縁先、手摺などがイメージされている「素技」。日本建築の屋根や軒、縁側、庭園、袖垣、遠景の山並などの風景までをも取り込んだ「木数寄」。そして今年6月に発表されたのが「手掌」である。
 手が表す人のこころ、人への気持ち。喜怒哀楽や生き様さえ見えてしまうのが手の動きだ。六厩は「包みこむ手、ささえる手、かかえる手」といった手の形を追った。それは父や母、神や仏の手であり、慈愛に満ちた手の心、たなごころである。
 作家やアーティストの自己主張にはない、寡黙な職人が伝える日本の美意識と倫理観。新作「手掌」シリーズは、大事に、同時に無造作に使うことができる生きた家具である。
 100年経ってもモダンであり続ける家具とは、命の通った家具作りから生まれる。


「木数寄(きすき)」シリーズ
日本建築の屋根や軒、縁側、庭園、袖垣、そして山並などがモチーフ。椅子の背面やテーブルの脚は無垢材の風合いを生かしつつ、部材を山形にカット。緻密で高度な技術を要する。遠く霞む飛騨の山々、美しい日本の情景を連想させる。

「素技(そぎ)」シリーズ
大きなLDルームのある家や特殊なニーズに向けた「和魂」・「和蘇」に対し、「素技」はマンションライフを意識し、コンパクトで軽量、薄型になった。デザインコンセプトは日本建築の書院造り。付け書院や違い棚、縁先や手摺などがモチーフとなっている。

新作「手掌(たなごころ)」
指と指を組み合わせているような背面の造形が印象的。

「和魂(わこん)」シリーズ
高山の街並みを彩った吹き寄せ連子格子をモチーフに、切破風の強い反りを与えて造形した背面。木部は蘇芳(スオウ)の赤みがかった紫と檜皮(ヒワダ)の黄みがかった紫色を合わせた現代の和の色。張地は藍染めの色と日本古来の更紗文様を再現した。

「和蘇(わそ)」シリーズ
椅子の背は百済観音の衣、浮世絵美人の着物の裾をイメージ。男性的な「和魂」シリーズに対し、「和蘇」は女性的な優しい曲線の造形を目指した。外向きに広がる反りやシンメトリーな曲線、交差して繋がるねじれなど、複雑な曲面で構成されている。
 
本社ショールーム 飛騨高山匠館
市内下三之町にある匠館の店内。和のモダンシリーズをはじめとして、shirakawa製品のほとんどを見ることができ、試作品やTVドラマのセットで使われた家具なども並ぶ。
TEL0577-36-2511 FAX0577-36-2510
【問い合わせ】
株式会社 シラカワ   
高山市漆垣内町407-3  TEL 0577-32-3066 ・ FAX 0577-33-6561
ショールーム/東京青山「J.hearts」大阪「J.hearts」

http://www.shirakawa.co.jp/

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